天晴れ!原宿×BONDS 天晴れ!原宿のライブの最終目標は、BONDSさんを卒業すること!!
9月20日(水)に両A面シングル『君の眼球ごし救いたまえアイドルよ/エンドレスサマー』を発売する天晴れ!原宿。この夏は、「アイドル横丁夏まつり!!」「TOKYO IDOL FESTIVAL」など大きなイベントへ出演し会場を熱狂で掻きまわせば、代々木公園野外音楽堂で行った主催イベント「竹の子の夏は終わらない。〜エンドレスサマー〜」や、TSUTAYA O-EASTを舞台にした「天晴れ!原宿無料ワンマンライブ」でも、活動1年強のグループとは思えないステージングを通し、訪れた人たちを狂熱した宴の中へ巻き込んでいった。
天晴れ!原宿と言えば、感情のアクセルをべた踏みする観客たちが作り上げる興奮と高揚渦巻く客席の風景が話題になっている。あの熱狂ぶりを見ていると、一緒に大騒ぎしたくなるのも、その一員に加わりたいのも納得だ。同時に、会場の治安を守る警備員たちとファンたちによる確執も、天晴れ!原宿のライブには混在している。
今回、彼女たちのイベントライブの警備も担ったことのあるイベント警備会社BONDS(「TOKYO IDOL FESTIVAL」「竹の子の夏は終わらない。〜エンドレスサマー〜」で天晴れ!原宿の警備も担当)の代表である伊勢野さんと彼の右腕でもある稲実さんを迎え、天晴れ!原宿のメンバーが対談を行った。アイドルファンの方なら、BONDS SECURITYのことはよーくご存じだろう。様々なアイドルフェスティバルで暴れる観客たちを撥ね除けてゆく屈強な警備会社だ。この7人がどんな会話を行ったのか、じっくり読んでいただきたい。天晴れ!原宿のメンバーたちと、警備会社BONDS SECURITYの方々が、どんな想いでライブや警備、熱狂するお客さんたちに向き合っているかが伝わってくるはずだ。
ここでは、数ブロックに分けたインタヴューの中から、あえて3ブロックをピックアップ。その中からさらに抜粋した模様をお届けしたい。これを読むだけでも、これからの天晴れ!原宿のライブへ向かう意気込みが変わる!?…メンバーやBONDS SECURITYさんの想いを汲み取り、変わってくれたら幸いだ。
BONDSさんには誰も勝てない。だから安心感があれば、ライブでも平和が保てる。(中江さき)
――みなさん、BONDSさんには…。
全員:お世話になってます!!!!!
成実みく:BONDSさんは、もう見た目からして強そう!
朝比奈れい:ガタイが、もう怖そうだよね。
中江さき:BONDSさんは、まわりにはいない強い男性の人たちって印象がある。
中江さき
成実みく:確かに、BONDSさんほど(身体が)イカつい人たちはいないからね。
中江さき:誰も勝てない。だから安心感があれば、ライブでも平和が保てる。
伊勢野:けっして怖くはないから、大丈夫(笑)。天晴れ!原宿さんと言えば、今年の「TOKYO IDOL FESTIVAL」のSKY STAGEで警備を行っていたときのことかな!?。事前に「天晴れ!原宿さんのライブで何かしら騒動が起きたら、その場で演奏は止める。そうならないようにしてくれ」と言われてたんだけど。実際に演奏が止まりそうになったときも、マネージャーさんが現場でファンの人たちへ言葉を投げかけれぱ、メンバーのみんなもファンのみなさんへ言葉をかけてくれてたじゃない。お客さんたちもその言葉を受け止め、普段よりも我慢をしながら楽しんでくれていた。あのときは本当に良い警備に繋げられたなと思えたときでしたからね。あのときは、本当にありがとう。
伊勢野
全員:こちらこそ、ありがとうございます!!
――定められたルールの中で、お互いがどれだけ楽しみを見出せるかはなかなか難しいことだなとは感じます。
伊勢野:みなさん、ライブを楽しむため観に来ているわけじゃない。それは、アイドルの子たちも同じ。その中で、僕らがガチガチに警備をしてしまったら、せっかくの空気を壊してしまう。いかにみんなが気持ち良く楽しめるか。そこは、僕らもつねに考えていることなんです。
成実みく:天晴れ!原宿って、全部が盛り上がれる曲なんですよ。だから、ファンの人たちも楽しくなっちゃう気持ちはすごくわかるんです。でも、天晴れ!原宿のライブで怪我人が出ちゃうのは嫌だし、そういう人が出るとメンバーもつらくなるから、そこは無くしたいんです。
成実みく
朝比奈れい:みんなテンション上がってくれるのは嬉しいんですけど、中には、天晴れ!原宿のファンではなく、ただ暴れたいとか荒らしたいからと来る人たちもいます。そういう姿を目の前にすると、すごく嫌です。
朝比奈れい
伊勢野:天晴れ!原宿のライブには、そういう人がいるんですか?
成実みく:とくに野外ライブになると出てくるよね。ただ、暴れたいみたいな人たちって。
朝比奈れい:盛り上げに来るんじゃなくて、暴れに来てる。しかも、他の現場で出禁になったからって天晴れ!原宿の現場に来てるような人たちが…。
成実みく:今は、そういう暴れる人たちの居る現場として、変な意味で注目も上がっているんです。
朝比奈れい:もちろん、盛り上がってくれるのは嬉しいんですけど。盛り上がると暴れるは違うので、暴れるのはホント辞めて欲しい。
東雲しの:天晴れ!原宿の現場が面白いって言っていただけるのは嬉しいんですけど。その理由が「暴れることが楽しい」だったら、天晴れ!原宿がそこにいる意味がないじゃないですか。私たちは、天晴れ!原宿のライブを通してみんなに楽しんでもらいたいんです。そのためにも、私たちがそういう環境へ持っていけるようにしなきゃとも思ってるんですけど…。
東雲しの
伊勢野:その姿勢を持ってるから、僕も天晴れ!原宿さんは印象に残ってるんだよね。とくに「TOKYO IDOL FESTIVAL」の現場って、何百組というアイドルさんたちが出演する。正直、すべての名前は覚えきれない中、天晴れ!原宿さんの名前はしっかり頭の中へ入ってる。
朝比奈れい:あっ、覚えててくださいました?
伊勢野:もちろん!!!!!
成実みく:要注意グループとしてだったり(笑)。
伊勢野:さっきも言ってたように、みんなで盛り上がって楽しむのは当然のこと。ただ、そこで怪我人が出ちゃうのは、僕らだってとても嫌なこと。でも、それはステージに立つアイドル側の問題ではなく、運営側や我々警備側が対処し解決すべき物事。そのためにも、BONDSが警備で入ったときは、演者さんたちが余計を心配をしないで楽しく歌える環境を作っていけたらなと、日々いろいろ考えていますから。
天月ゆり:やっぱし、BONDSさんがいてくれると安心だね。
天月ゆり
実際に現場では、怪我をしないギリギリのラインで楽しめる環境作りを演者さん側と運営側では話しあい続けています。(稲実)
――実際、BONDSさんが警備に入ってから改善されたライブ現場も多くないですか?。「TOKYO IDOL FESTIVAL」なんか、まさにそうかなと思います。
稲実:僕自身、今年で「TOKYO IDOL FESTIVAL」の経験は2年目だし、アイドルの現場自体まだまだ疎いんですけど。昨年と今年の「TOKYO IDOL FESTIVAL」を比べても、危険な暴れ方は減った気がします。もちろん、気持ちが盛り上がり過ぎたら、跳ねたり、走りまわったり、肩車をしちゃう気持ちもわかるんです。実際にそういう方々もいますけど、それでもライブを楽しむためにある程度自制している人たちが増えてきたなというのは感じました。
もちろん、規制し過ぎたあまり、盛り上がれもせずにボーッと見ているだけになってしまったら、イベントとして詰まらないものになってしまうのはみんなわかっていること。実際に現場では、怪我をしないギリギリのラインで楽しめる環境作りを演者さん側と運営側では話しあい続けていますし、理想の環境を作るための積み重ねを何年も続けていくことで、何時か本当に理想とすべき環境を作っていけるとも思っています。
稲実
伊勢野:僕らも、盛り上がる環境作りは大切だと思ってる。だって、何も反応ないんじゃ、歌ってても楽しくないでしょ。
成実みく:楽しんでくださる姿や表情が見えるからこそ私たちも楽しくなれるんで、そこは大事だと思います。ただ、野外になると、みんな開放され過ぎて、何処までも走っていったりしちゃうじゃないですか。そういう環境もあるからこそ、野外のライブではBONDSさんにお世話になることも多いんだと思います。
稲実:そこは、みんなで経験を重ねながら、一番ベストな形を作りあげていくしかないでしょうね。
成実みく:今はちょうど『君の眼球ごし救いたまえアイドルよ/エンドレスサマー』のリリースイベント時期で、インストアが多いんですね。インストアは、普通のイベント以上に禁止事項が多いにも関わらず、そこもしっかり守って天晴れ!原宿の現場をみんな楽しんでくれているように、その姿がすごく嬉しいんです。
沸いたり盛り上がってる瞬間って、こっちも歌ってて楽しいんです。だけど、荒れた瞬間にテンションが下がっちゃう。
――みなさん、どんなときにテンションが上がります?
中江さき:フロアーの熱量が上がると、ステージ上の熱量もテンションも上がります!!
朝比奈れい:みんなが荒れてるじゃなくて、沸いたり盛り上がってる瞬間。そういうときって、こっちも歌ってて楽しいんです。だけど、荒れた瞬間にテンションが下がっちゃう。天晴れ!原宿の現場って振りコピをする人たちも多いんですね。リフトやモッシュよりも、振りコピして手だけを動かしてるだけでもみんなの一体感となった気持ちは伝わるように、それを感じれたときは楽しくなります。
天月ゆり:私、コールや名前を呼んでもらったり、煽ったときに反応を返してくれるとテンションが上がります。
東雲しの:僕、会場中の人たちが一斉に横移動してくれてるときに、一緒に楽しんでくれてるんだなと感じます。何より、みんなが楽しんでくれてるなぁと感じれたら、こっちのテンションも上がってきていい感じでライブを作れるから、それが好きなんです。
成実みく:天晴れ!原宿には『幽玄テリトリー』という歌があるんですけど、前奏や間奏のところでみんなが♪テッテッテーテッテレッテッテー♪と一緒に歌ってくれるんですね。あのときの、めっちゃ笑顔で手を振りながら歌ってる姿を見てると、みんながすごく可愛く見えてきてすごく楽しくなります。
――警備する側でも、盛り上がりと荒れる空気の差を現場の空気の中から感じ取ることは多いのでしょうか?
伊勢野:あります。もちろん警備をするアイドルさんの現場に関しては、事前に曲を聴いたり映像を見たりしながら情報を集めれば、盛り上がりの空気を摑んだりと対策は練っていきます。それでも全部を把握出来るわけではないように、そこは現場で感じる空気も大切になっています。
世の中にはお仕事っていっぱいあるじゃないですか。なのに、なんでこんなに嫌われる仕事をしてるのかなぁと思って。(東雲しの)
――この機会にBONDSの方へ聞いてみたいことがあったら、ぜひ質問をお願いします。
東雲しの:世の中にはお仕事っていっぱいあるじゃないですか。なのに、なんでこんなにお客さんに嫌われる仕事をしてるのかなぁと思って。
伊勢野:その話へ入る前に、なんでアイドルの警備を始めたかも話しておくと、もともとBONDSはCLUBのセキュリティとして始まったんですけど、次第にCLUB EVENTに人が集まりにくくなってきた。じゃあ、他の若い子たちは何処へ遊びに行ってるのかとリサーチをしたら、アイドルイベントだと。実際に現場を見たときにも、「絶対に警備は求められる」と実感。それで当時、稲実がいろんなアイドルさんを取り仕切ってる運営の方々に連絡を入れてたんですけど。あの頃かならず言われてたのが、「うちはお客さんらをコントロール出来てるから警備は必要ない」ということ。でも次第に、お客さんたちをコントロールするのが難しくなれば、規模も大きくなったからでしょうね。そこでBONDSに声がかかり、その期待に応えたことから今へ繋がったわけなんです。
5人:へぇー!!
伊勢野:僕らにとっての成功とは、BONDSが警備に入ることで、ステージ上にいるアイドルさんたちが余計なことを考えずにライブへ没頭してくれることであり、そのライブ自体、誰一人として怪我をすることも事故も起きることなく笑顔で終わってくれること。僕らはその笑顔のためなら、嫌われ役でまったく構わない。
朝比奈れい:中には酔って絡んだり、殴ったり蹴ったりするお客さんもいるじゃないですか。怒ったりしないんですか?
成実みく:お客さんから反撃を喰らうこともあるんですか?
伊勢野:言われた経験は全部ありますし、うちの隊員の中にも一瞬カッとなる奴がいるけど。俺から言わせれば、そいつらはまだまだ甘い。一番大事なのは、相手に近寄らせない。何もさせないこと。
成実みく:それ、わかります。現場でBONDSの方とすれ違うじゃないですか。そのときに発するオーラがドラゴンボールの気みたいで凄いんですよ。
伊勢野:僕らからしたら、アイドルさんのほうが大変だなぁと思ってる。でも、実際にはやってることが楽しいから、大変とは思わないでしょ。
5人:はい。
伊勢野:僕らも、今の仕事が本当に好きだし、誇りに思ってるし、それを楽しんでる。だから嫌われ役だってぜんぜん構わないんです。
成実みく:みなさん、あまりBONDSさんに迷惑をかけないようにしましょう。
伊勢野:一番の理想は、我々が警備に入らなくても天晴れ!原宿とお客さんたちでイベントが成功すること。たとえそれが野外のライブだろうとね。うちは、その環境作りを目指してる。
中江さき:でも、そうすると仕事がなくなっちゃうんじゃないですか?
伊勢野:無くなってもいいんです。何故なら、次の新しい仕事はかならずあるから(笑)。
天月ゆり:じゃあ、天晴れ!原宿のライブの最終目標は、BONDSさんにお世話にならないこと。BONDSさんを卒業することだ!!
『エンドレスサマー』はBONDSさんにお世話になる曲になりそうな予感がします。(成実みく)
――最後に、最新シングル『君の眼球ごし救いたまえアイドルよ/エンドレスサマー』の魅力もお願いします。
中江さき:これまでの天晴れ!原宿の曲って、どれもわちゃわちゃしてて、ずっと「天晴れ!天晴れ!」と言ってたんですけど。『君の眼球ごし救いたまえアイドルよ』はアイドル目線のすごく深い曲になっています。ぜひ、歌詞に注目して聞いてください。『エンドレスサマー』は、夏が終わっても夏を思い出せる歌になっているから、『エンドレスサマー』を聞いて夏を思い出しながら楽しい気持ちになってください。
成実みく:『君の眼球ごし救いたまえアイドルよ』は曲調的にBONDSさんにお世話になることはないと思いますけど、『エンドレスサマー』はお世話になる曲になりそうな予感がします。
天月ゆり:タオルだけじゃなく、横移動も入りそうな曲だからね。
朝比奈れい:あっ、今、伊勢野さんの眉毛がピクッと上がったよ!!
伊勢野:『エンドレスサマー』は覚えておきます。タオル曲があるなら、BONDSタオルを5人にプレゼントします。これを振ってくれたら、きっと大丈夫です(笑)。
朝比奈れい:じゃあ、私たちも「天晴れ!原宿Tシャツ」をプレゼントしますので、ぜひ警備のときに着てください。
PHOTO:真島洸
TEXT:長澤智典